
独特の風土と文化が息づく長浜
愛媛県南予地方に位置していた旧長浜町は、2005年に大洲市と合併するまで、瀬戸内海に面した港町として栄え、多くの歴史と文化を育んできました。この地は、清流肱川(ひじかわ)の河口に位置し、美しい自然環境と穏やかな瀬戸内海の景観に恵まれた地域です。
長浜町は、江戸時代から肱川の水運による物流拠点として発展し、商業や漁業の町として知られていました。また、明治時代には鉄道の敷設によりさらに交通の要所としての役割を果たしました。町内には、歴史的な建造物や風情ある町並みが今も残されており、どこか懐かしい風景が広がっています。
この地域のシンボルの一つである「長浜大橋」は、日本初の開閉式鉄橋として1935年に建設され、国の重要文化財にも指定されています。この橋は、その色から地元の方々に「赤橋」と呼ばれ、町のランドマークとして親しまれています。また、旧長浜町では、地域の人々の温かさや豊かな郷土文化が受け継がれています。
特に「肱川あらし」と呼ばれる現象は、この現象は冬場に発生する全国的にも珍しい自然現象で、肱川下流に霧が押し寄せる神秘的かつ壮大な景色は圧巻です。さらに、長浜町は肱川の鮎や瀬戸内海の真鯛、はまち、ふぐ、はも、太刀魚をはじめとした新鮮な魚介類、柑橘類やキウイフルーツ等の味わい豊かな農産物など、豊富な食材に恵まれています。
現在では大洲市の一部として、その歴史と文化は引き継がれていますが、旧長浜町の風情や魅力は、訪れる人々の心を温かく迎え入れる力を持ち続けています。旅の途中で立ち寄れば、長浜の豊かな歴史と自然の恵み、そして地域の人々のぬくもりを感じられるでしょう。

